ガスパチョ・アンダルス(Gazpacho andaluz)とは、トマトやキュウリなど生の野菜とパンを混ぜて作る、スペインで親しまれているスープ料理です。
アンダルシア風ガスパチョの概要
名前の由来:熱湯と他の材料を入れた大鍋で作られることから
「カッカバセウス」はラテン語で熱湯と他の材料を入れた大鍋
アンダルシア風ガスパチョは、オリーブオイルと酢、古くなったパン、トマトやキュウリ、ピーマン、ニンニクなどの野菜を一緒に潰した夏野菜の冷静スープです。トマト、キュウリ、ピーマン、タマネギを刻んだものとクルトンが上にトッピングされ、スープ皿やグラスに注いで提供されます。材料をそのままミキサーにかけて作られることが多く、火を使わずに調理出来て栄養もたっぷりなことから「飲むサラダ」とも呼ばれ、スペインのみならず世界で人気がある料理です。
ガスパチョには様々なバリエーションがあり、アンダルシア地方の中でも数種類のガスパチョが食べられています。このトマトを使った「アンダルシア風ガスパチョ」は主に西アンダルシア地方で食べられているものです。
アンダルシア風ガスパチョの歴史

次にアンダルシア風ガスパチョの起源に迫ってみましょう。
アンダルシア風ガスパチョの起源は、8世紀のアル=アンダルスに遡ります。当初は野菜を含まず、パン粉と水、オイル、酢のみを混ぜたハラールのスープで、時にはアーモンドやニンニクを風味づけに加えていたとされています。そして、16世紀になりメキシコやペルーからトマトやピーマンといった食材がヨーロッパに持ち込まれ、ガスパチョのレシピも大きく変化し始めました。1791年のレシピ本『Arte de Repostería』にのっているガスパチョは、パンでとろみをつけたシンプルなスープとして紹介されています。
19世紀初頭になると、アンダルシア地方の日雇い労働者や農民たちは、乾燥したパンを水で戻し、トマトやニンニク、油、コショウと混ぜ合わせて食べるようになりました。 その後、キュウリ、赤ピーマン、緑ピーマン、タマネギなどの野菜が加えられ、現在のガスパチョの形になりました。
1960年代以降、スペインの観光業の発展に伴い、ガスパチョは国際的に知られるようになりました。元々は乳鉢で作られていましたが、電動ミキサーの登場により20世紀半ばにはミキサーが使われるようになりました。また、冷蔵庫の普及により、冷たく冷やして飲まれるようになりました。現在ではスペインのどこのスーパーでも、紙パックに入って売られている姿を見ることができます。
アンダルシア風ガスパチョの主な材料
アンダルシア風ガスパチョの主な材料は以下の通りです。
アンダルシア風ガスパチョのレシピ
以下はスペインのサイトで紹介されていた、アンダルシア風ガスパチョのレシピです。
① 完熟トマト1kg、緑ピーマン1個、キュウリ1本、にんにく2片をざく切りにし、固くなったパン50gを細かくちぎっておきます。
② 大きめのミキサーやブレンダーに入れ、冷水250ml、エクストラバージンオリーブオイル50ml、シェリービネガー30ml、塩5gを加えて、約4分間なめらかになるまで攪拌します。
③ 濾し器で濾したガスパチョをボウルや保存容器に移し冷蔵庫で最低1時間冷やします。冷えたガスパチョを器に注ぎ、クルトン、刻んだキュウリ、ピーマン、玉ねぎ、オリーブオイルをトッピングし、完成。
参照記事:Receta de gazpacho andaluz tradicional
アンダルシア風ガスパチョのバリエーション
以下はスペインのアンダルシア風ガスパチョのバリエーションです。
ガスパチョ・デ・フレサス(Gazpacho de fresas)
通常の材料にイチゴを加えたガスパチョ。イチゴのフルーティーな風味と甘みが意外と合う、ポピュラーなガスパチョのひとつ。
以下は地域ごとのバリエーションです。
ガスパチョ・エストレメニョ(Gazpacho extremeño)
エストレマドゥーラで食べられているガスパチョ。ピューレ状の濃厚なガスパチョで、パン粉とニンニク、油、酢で作られたスープの上に刻んだ野菜がトッピングされている。
アンダルシア風ガスパチョに似た他国の料理
アルジャモリョ(Arjamolho)
ポルトガルの最南端にあるアルガルヴェ地方で食べられている冷製スープ。野菜を細かく切ってみじん切りにして作られる。
同名の別料理
ガスパチョ・ブランコ(Gazpacho blanco)
「アホ・ブランコ」としても知られている通称「白いガスパチョ」。トマトを使わない代わりにアーモンドが使われており、白い見た目が特徴。
ガスパチョ・ベルデ(Gazpacho verde)
通称「緑のガスパチョ」。白いガスパチョと同じく、トマトを使わない代わりにナッツや緑の野菜が使われており、緑の見た目が特徴。
ガスパチョ・マンチェゴ(Gazpacho manchego)
ドン・キホーテに登場する「ドン・キホーテメニュー」の一つで、特別なバージョンのガスパチョ。ガスパチェラと呼ばれる特別な鍋で調理され、砕いたパンや肉が入った温かいスープ。
ガスパチョ・モレリアーノ(Gazpacho moreliano)
ミチョアカン州のモレリアで名物の「ガスパチョ」。マンゴー、パイナップル、ヒカマなどの果物を細かく刻み、玉ねぎや酢、チーズ、唐辛子、オレンジジュースを加えたサラダ。
アンダルシア風ガスパチョの豆知識
スペイン人とガスパチョ
スペイン人の好きな食べ物のランキングでは3番目に入るなど、非常に人気のある料理であるガスパチョ。最近ではイチゴ、スイカなどを加えたバージョンも登場しています。2019年、アンダルシア州アルメリア県は「世界で最大のガスパチョ」を作ったことで、ギネス世界記録に認定されています。その量はなんと9,800リットル。2013年にポルトガルで作られた3,000リットルの旧記録を大きく上回りました。スペイン人、特にアンダルシア人にとってはガスパチョは欠かせない食べ物であることが分かります。
アンダルシア風ガスパチョを試すなら
アンダルシア風ガスパチョは楽天・Amazonでガスパチョが売られており、気軽に試してみることができます。
また、日本にあるスペイン料理屋さんでもアンダルシア風ガスパチョを食べることが可能です!




