タイ料理とは、タイ王国の伝統的な料理で、辛味、酸味、甘味をバランス良く組み合わせた味わいが特徴です。
タイについて
タイ料理の概要

タイ料理は、香り高いスパイシーさと多様な食材を特徴とする食文化で、甘味、酸味、塩味、辛味、苦味の五つの味覚が絶妙に調和した料理が多い点が特徴です。新鮮なハーブやスパイス、発酵調味料、ココナッツを多用することでも知られています。一般的には、炒める、煮る、蒸す、揚げるといった調理法が用いられ、強い火力で手早く調理することで、素材の風味や食感を損なうことなく最大限に引き出しています。
タイの伝統的な料理は、トム(煮込み料理)、ヤム(和える料理)、タム(つぶした料理)、およびゲーン(カレー)と、大まかに4つのカテゴリーに分けられます。中国とは13世紀の南宋時代から交流を持っていたため、中華料理からの影響も受けており、炒める・蒸すといった調理法は中華料理から取り入れられました。また、中華料理だけでなく、カンボジア、ラオス、ミャンマー、インド、マレーシア、インドネシアなど、タイの近隣諸国の伝統や料理も巧みに取り入れられています。
タイでは米が主食とされており、米ともち米の2種類が食されます。消費には地域差があり、タイ北東部と北部の人々は主にもち米を食べ、タイ中部と南部の人々は主に米を食べます。
さらに、タイでは屋台文化も発達しており、都市圏に住む市民は手軽に様々な料理を楽しんでいます。特にバンコクは、2018年CNNによって「世界で最も屋台料理が美味しい都市」として選ばれました。
タイ料理の地域性

タイ料理の地域性は主に四つに分けられます。
北部(チェンマイなど)
ミャンマーや中国から影響を受けた料理が見られます。スパイスも多種多様に使われており砂糖はほとんど使用されませんが、料理の辛さはマイルドです。野菜が中心で様々なチリペーストが使われます。
東北部(ウドーンターニーなど)
数多くの河川が広がっています。ラオス料理との共通点が多く、東北部南部ではカンボジア料理の影響も受けています。伝統的に自給自足の考えが根付いており新鮮な素材が用いられます。辛味と塩味が強いのも特徴で、濃い味付けでも知られています。
南部(プーケットなど)
味は濃厚で唐辛子の辛さだけでなく胡椒を使った辛さが特徴的です。また、タイ料理の中で南部料理が最も辛いとされており、甘みも少ないです。イスラム教徒の人口が多く、マレーシアや南インドから影響を受けた料理が食べられています。
中央部(バンコクなど)
インド、中国、ベトナム、西欧からの影響を受けた料理が広がっています。王宮がある影響で繊細な宮廷料理も生まれました。タイ国外で広く知られ、食べられているタイ料理は中央部のものが多いです。全体的にバランスの取れた味わいです。
詳しく解説&郷土料理を解説した記事も是非ご覧ください!
【全32品】タイ料理の一覧
タイで食べられている、タイ料理の一覧です。
タイ全土
(ส้มตำ)
タイの東北部から全国区となった、ラオスやタイで食べられる青パパイヤを使ったサラダ。生のキャベツと一緒に提供されることが多く、もち米と合わせて食べられる。
(ตำมะม่วง)
青パパイヤの代わりに酸味のある青いマンゴーを使ったソムタム風サラダ。サラダの中でもソムタムと並んで人気がある。
(ยำวุ้นเส้น)
春雨、鶏ひき肉や豚ひき肉、イカやエビなどのシーフードが入ったスパイシーなサラダ。日本では「タイ風春雨サラダ」として知名度が高い。
(ต้มข่าไก่)
タイやラオスで食べられている白濁したスープ。鶏肉やフクロタケがココナッツミルクとともに煮込まれており、コブミカンの葉やレモングラスなどのハーブが用いられる。
(ต้มยำ)
酸味と辛味が特徴のスープ。レモングラスやカフィアライムの葉、唐辛子などの材料が使用される。魚介や鶏肉を具材にすることが多い。
(น้ำซุป)
鶏肉や豚肉、野菜の出汁から作られるスープ。カオマンガイやカオカームーなどと共に提供される定番のスープで、具はほとんど入らない。
(เล้งแซ่บ)
豚の背骨から肉全体を取り除いたものを、ライムジュース、ナンプラー、大量の唐辛子で煮込んで味付けするスープ。辛さが特徴。
(หมูมะนาว)
スライスして火を通した豚肉に、つぶしたニンニク、青唐辛子、砂糖、ナンプラー、ライムジュースのドレッシングをかけた肉料理。
(ทอดมันปลา)
ミンチ状にした魚にレッドカレーペーストや細かく刻んだ豆、細かく千切りにしたカフィアライムを混ぜ揚げた魚料理。
(กุ้งแช่น้ำปลา)
新鮮な生のエビをナンプラーに浸して作った海鮮料理。スライスしたゴーヤやニンニク、唐辛子、ライムなどが添えられる。
(สุกี้ไทย)
人気のある鍋料理で様々なスープで具材を煮るスタイルが特徴。肉類、海鮮、野菜、麺などが入れられ、食材はスープで煮る前にテーブルで個別に提供されるスタイル。
(พะแนง)
ココナッツミルクをベースにした濃厚でクリーミーなソースで肉やハーブを煮込んだ料理。名前の由来はマレーシアのペナン島。
(ไข่ดาว)
大量の熱い植物油で揚げられ、外側がカリカリの食感になっている卵料理。黄身が半熟の目玉焼きのことで、カオパットやガパオライスなどに添えられる。
(ไข่ลูกเขย)
ゆで卵を外側がカリカリになるまで揚げてスライスした後に、タマリンドジュースで作ったピリ辛のソースをかける卵料理。
(ข้าวไข่เจียว)
オムレツに白いご飯を添えた米料理。チリソースやキュウリと一緒に食べられ、オムレツの中には野菜や豚ひき肉などが混ぜられることもある。
(ข้าวขาหมู)
醤油と五香粉で煮込んだ豚足をご飯にかけた米料理。甘辛いソース、唐辛子、ニンニクを添えて提供される定番のご飯。
(ข้าวหน้าเป็ด)
ローストダックをご飯にのせ、鴨のスープを添えた米料理。薬味として醤油に漬けた唐辛子のスライスを添えて提供される、人気のあるご飯。
(ข้าวผัด)
白ご飯を卵や肉、エビ、野菜などと一緒に炒め、ナンプラーや醤油で味付けしたタイ風炒飯。キュウリやネギ、ライムなどが添えられる。
(ข้าวผัดสับปะรด)
「パイナップルチャーハン」として知られる、ご飯をパイナップル、肉などと一緒に炒めた米料理。半分に切ったパイナップルの皮の中にチャーハンを盛り付けるのが特徴。
(ข้าวมันไก่)
ニンニクを入れて蒸したご飯に、鶏肉のスライス、チキンスープ、スパイシーなソースなどを添えた米料理。日本でも有名なタイ料理のひとつ。
(ข้าวหมูกรอบ)
カリカリに揚げた豚バラ肉をご飯にのせた米料理。ゆで卵を添えて、スープと一緒に提供されることが多い。
(ข้าวหมกไก่)
タイ系イスラム料理の一つで、インドの影響を受けた米料理。チキンカレーと一緒に米を炊いて作られ、鶏肉が添えられる。
(ข้าวหมกเนื้อ)
タイ系イスラム料理の一つで、インドの影響を受けた米料理。ビーフカレーと一緒に米を炊いて作られ、牛肉が添えられる。
米麺を卵やエビなどの具材と共に炒め、甘酸っぱいソースで味付けしたタイの代表的な麺料理。屋台料理としても人気が高く、タイ料理の象徴的な存在。
小麦粉にかん水を加えて作る中華麺(バミー)を鶏がら出汁のスープに入れた麵料理。味わいはあっさりしており、ワンタンや豚肉などの具入りもある。
小麦粉にかん水を加えて作る中華麺(バミー)を茹で、ニンニク入りのサラッとした油や醬油ベースのタレがかけられる汁なし混ぜ麺。
ビーフンを揚げ甘酸っぱいソースをかけた麺料理。揚げた豆腐、揚げたエビ、豚肉などが具材として混ぜられる。アメリカでも人気の高いタイ料理。
タイで朝ごはんによく食べられているお粥。中国発祥の料理で、鶏ひき肉や豚ひき肉、卵などが具材として入っている。
米粉、ココナッツミルク、砂糖で作られる生地を、小さく丸く焼き上げたパンケーキ。外はカリッと中はとろりとした食感が特徴。
甘く調理したもち米にフレッシュマンゴーを添えたタイを代表するデザート。屋台からレストランまで幅広い場所で売られている。
バナナをココナッツミルクかココナッツクリームに混ぜたデザート。デザートの色の白さを尼僧の衣服に例えて名前がつけられている。
グレナデンシロップに漬けて赤く染めたクワイをルビーに見立て、タピオカ粉をまぶして茹で上げたデザート。ココナッツミルクに浮かべられる。
団子をココナッツミルクに浮かべたデザート。タロイモ、カボチャ、パンダンの葉、バタフライピーなどの材料が使われることがある。
17世紀にタイの王宮で生まれた、卵黄を糸状にして砂糖シロップで煮て作られるデザート。タイ語で「黄金の糸」という意味。
【全1種】タイの飲料一覧
タイでよく飲まれる飲み物の一覧です。
(โอเลี้ยง)
「タイアイスコーヒー」とも呼ばれる、コーヒー粉、大豆、トウモロコシ、ゴマなどと砂糖やシロップを混ぜ、氷を加えて作られる飲み物。
(ชาเย็น)
オレンジ色が特徴なタイ独自の紅茶。強く発酵させた茶葉から作られ、砂糖や練乳を入れた甘い状態で提供されることが多い。
【全28種】代表的なタイ料理の食材一覧
タイ料理によく用いられる食材の一覧です。
ヒガンバナ科に分類される玉ねぎの一種。タマネギとニンニクを合わせたような味わいの香味野菜で、西洋やアジアなど広い地域で使用される。
竹の若芽で、シャキシャキとした食感が特徴の食材。煮物や炒め物、炊き込みご飯などに使われ、食物繊維が豊富。
強い香りと辛みを持つ香味野菜で、料理の風味付けに使われる。炒め物や煮込み料理など幅広く使われ、抗菌・抗ウイルス作用もあるとされる。
甘みのある果肉が特徴の緑黄色野菜で、煮物、スープ、スイーツなどに使われる。食物繊維やビタミンC、Eも含み、栄養価が高い。
(ถั่วฝักยาว)
温暖な地域で栽培されるマメ科の植物。長いさやが特徴で、英語では「Chinese long bean」と呼ばれる。さやがまだ柔らかい状態で、さやごと食べるのが一般的。
濃い紫色で先端が尖った見た目をしている。千切りにして他の生野菜と一緒に麺料理に添えたり、サラダや炒め物にして食べられる。
(พริกขี้หนู)
東南アジア全域で栽培され、多くのアジア料理に広く使われている唐辛子の一種。スコヴィル値は約5万から10万で、ハラペーニョの何倍も辛い。
「カフィア・ライム」としても知られるコブミカンの香り高い葉っぱ。強いシトラスの香りが特徴で、カレーやスープ、炒め物に加えて風味を引き立てる。
セリ科のハーブで、葉や種子が香辛料や薬味として使われる。独特の香りが特徴で苦手な人は多く、日本では「香草」「パクチー」などとも呼ばれている。
イネ科のハーブで、レモンに似た爽やかな香りが特徴。東南アジア料理でよく使われ、スープやカレー、ハーブティーに利用される。
甘酸っぱい果肉を持つマメ科の植物。料理や飲料に調味料として広く利用され、酸味のあるペーストはカレーやチャツネ、ソースに使われる。
(ทุเรียน)
「果物の王様」とも称される、東南アジア原産の熱帯果物。チーズや玉ねぎのように感じられる強烈なにおいが特徴。果肉はクリーミーで甘く、濃厚な風味。
(มะนาว)
別名メキシカンライムとしても知られるライムの一種で、直径3〜5cm程度と、柑橘類の中でも特に小型。皮は薄く、熟すと緑から黄色に変化する。
(มะกรูด)
東南アジア原産のミカン科の柑橘類で、特に葉と皮が料理に使われる。独特の爽やかな香りがあり、スープやシチューに欠かせない。「カフィアライム」とも呼ばれる。
柑橘類の中でも最大級の果実で、甘さとほのかな苦味が特徴。果肉は厚くジューシーで、グレープフルーツよりもまろやかな味わい。「ポメロ」「文旦」とも呼ばれる。
(มะกรูดหวาน)
カフィアライムではなく別の柑橘類の植物で、大きく甘みのある味わいが特徴。果物として食用にされ、料理に用いられることは稀。サムットソンクラーム県の名産品。
アジアや中南米の料理で、食材を包んで蒸す、焼くといった調理法に使用される。香りは控えめだが、加熱に強い。
精進料理や祭事にも用いられる、独特の香りを持つ蓮の葉。蒸すことで料理にほんのりとした草のような香りを移し、風味を引き立てる。
英語では「スネークヘッド」と呼ばれる、スズキ目に分類される淡水魚。ウナギのように細長く、名前のとおりヘビのような頭部を持つのが特徴。
ココナッツの果肉をすりおろして絞った白い液体で、料理からデザートにまで幅広く使われる。濃厚でコクがあり、健康効果も期待できる食材。
炊き上がると粘り気が強く、もちもちとした食感が特徴の短粒種の米の一種。東南アジアと東アジアおよび南アジア北東部で栽培されている。
タイ料理には欠かすことのできない調味料で、様々な料理に広く使われる発酵魚醤。小魚や塩を原料に数か月〜1年以上発酵させて作られる。
ショウガ科の根茎で、東南アジアの料理でよく使用される。生姜よりもややスパイシーで香りが強く、独特の味わいがある。
「スパイスの王様」と呼ばれることもある、樹皮を乾燥させて作られるスパイス。甘く温かみのある香りが特徴で、世界最古のスパイスとも言われる。
根茎部分を使うスパイスで、香りが豊かでピリッとした辛味が特徴。料理だけでなく、飲み物やお菓子にも利用される。
「ウコン」とも呼ばれる黄色い色素を持つスパイス。カレーやスープ、マリネなどに使われ、その鮮やかな色が特徴。
乾燥した種子を粉末にしたスパイスで、甘く温かみのある香りが特徴。消化促進や鎮静作用があるとされている。
中国料理や台湾料理で広く使われる香辛料で、独特の甘い香りと風味が特徴。乾燥した星形の果実で、「スターアニス」とも呼ばれ、肉の臭み消しなどに使われる。
【2025年4月最新版】日本国内のタイ料理レストラン
日本にもタイ料理レストランは数多くあり(2024年時点で5916軒!)、その中でもタイ政府が明確な基準の下で認定した「タイ・セレクト認定店」は198軒あります。(2024年8月時点)
以下はその中から抜粋したレストラン185軒です。
参考文献
書籍
・地球の歩き方編集室, 『世界のグルメ図鑑 116の国と地域の名物料理を食の雑学とともに解説-本場の味を日本で体験できるレストランガイド付き!』 ,学研プラス, 2021/7/26, p36-39
・地球の歩き方編集室, 『世界の中華料理図鑑』 ,学研プラス, 2022/5/26, p198-199
WEB
・「タイ料理」, タイ国政府観光庁, https://www.thailandtravel.or.jp/about/thaicuisine/ (参照 2025-04-14)












































































































