ビーフストロガノフ(бефстроганов)とは、スメタナ(サワークリーム)の白いソースでソテーした牛肉を絡めた、ロシアで親しまれている肉料理です。
ビーフストロガノフの概要
名前の由来:ストロガノフ家の一員にちなむ
「ビーフ」は英語で牛肉 + 「ストロガノフ」はロシアの貴族家系
ビーフストロガノフは、牛肉を炒めてクリーミーなソースで煮込んだ、ロシア発祥の肉料理です。具材はさいの目切りや角切り、細切りにした牛肉がメインで、マスタードとスメタナと呼ばれるサワークリームの一種が風味づけに用いられます。
肉に加えてキノコやタマネギなどが用いられることも多く、味付けにはウスターソースや砂糖などが使用されます。ロシアではマッシュポテトに合わせて提供されることが一般的です。
ビーフストロガノフの歴史

次にビーフストロガノフの起源に迫ってみましょう。
ビーフストロガノフの正確な起源は不明ですが、名前の由来はアレクサンドル・グリゴリエヴィチ・ストロガノフ伯爵(1795年~1891年)にちなんでいます。
一説では、ストロガノフの下で働いていたフランス人シェフのアンドレ・デュポンが、高齢になって好物の料理が食べられなくなったストロガノフ氏のために、肉を細かく切って彼の好きな料理をアレンジしたことが、ビーフストロガノフ誕生の由来だとされています。ちなみに、ストロガノフ氏が好きだった料理はラトビア料理の「シポール・ステニス」でした。
さらに、ストロガノフ氏にちなんだ別の説もあります。非常に裕福だったストロガノフ氏は、教養がありきちんとした服装をした人なら誰でも参加できる「オープンテーブル」をオデッサで開催していました。そこで取り分けやすく大勢で楽しめる美味しい料理が必要であったため、伯爵のシェフの一人がフランス料理の肉を焼いてソースをかける技法と、ソースを別添えしないロシア料理の伝統を組み合わせ、この料理を完成させたという話です。
どちらが本当かは分かりませんが、1871年にはロシアの本『若い主婦への贈り物』に掲載されていることから、少なくとも19世紀後半からは存在した料理であることが分かっています。また、1890年には、サンクトペテルブルクで行われた美食コンテストで、あるシェフがストロガノフソースを使って優勝したため、この料理が世界に広がるきっかけになったのだとか。
現在では世界中に広まり、日本だけでなくアメリカなどでも親しまれているビーフストロガノフですが、アメリカで普及した背景にもさまざまな説があります。
有力な説の一つとして、ロシア帝国の崩壊後、第二次世界大戦が始まる前の時期に、この料理が中国のホテルやレストランでよく提供されていたことが挙げられます。ロシア人や中国人の移民、さらには共産主義以前の中国に駐留していた米国軍人がアメリカへ持ち帰り、1950年代に人気を博した可能性があると考えられています。
ちなみに、日本ではヱスビー食品がビーフストロガノフを簡単に作れる商品を開発したことで、人気と知名度が高まったと考えられています。
参照記事:Beef stroganoff
ビーフストロガノフの主な材料
ビーフストロガノフの主な材料は以下の通りです。
ビーフストロガノフのレシピ
以下はロシアのサイトで紹介されていた、ビーフストロガノフのレシピです。
①牛肉のテンダーロイン500gを繊維に沿って指2本分の厚さに切ったら、繊維に沿って4〜5cm以下の細切りにします。
②大きめの玉ねぎ1個を細かく刻み、予熱したフライパンに植物油適量を入れて炒めます。
③フライパンに肉を加え、強火で5~7分ほどかき混ぜながら炒めます。
④小麦粉小さじ2を加えて混ぜ、 2/3カップのお湯またはビーフストックを注ぎ、10分間煮ます。
⑤スメタナ大さじ3、塩、コショウ適量を加え、かき混ぜながら5分間煮ます。マッシュポテトと一緒に盛り付け、ディルをふりかけて完成。
参照記事:Бефстроганов классический
ビーフストロガノフのバリエーション
以下はロシアのビーフストロガノフのバリエーションです。
レバーストロガノフ(Печень по-строгановски)
牛肉、子牛肉のレバーから作られるストロガノフ。ロシアでは人気の高い料理で、学校や病院など様々な場面で見かける。じゃがいもやソバの実などが添えられる。
以下は地域ごとのバリエーションです。
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ビーフストロガノフに似た他国の料理
ビーフストロガノフ
牛肉は薄切りが使われ、玉ねぎとキノコが入る。コンソメやウスターソース、醤油などが味付けに用いられることもあり、白ご飯と共に食べられている。
アメリカ風ストロガノフ(Beef Stroganoff)
牛肉の切り身とマッシュルーム、玉ねぎで作られ、幅広のタリアテッレやフジッリなどのパスタに添えられる。ご飯に盛り付けることもある。
ブラジル風ストロガノフ(Estrogonofe à brasileira)
牛肉だけでなく、鶏肉、エビなどが使われることも多い。クレームフレーシュの入ったソースにトマトソースまたはケチャップが入り、ご飯やじゃがいもが添えられる。
クルゼメ風ストロガノフ(Kurzemes strogonovs)
牛肉ではなく豚肉を使い、ピクルスとスモークベーコンも加えられたストロガノフ。ラトビア西部のクルゼメ(クールラント)にちなんで名付けられている。
コルブ・ストロガノフ(Korv stroganoff)
牛肉の代わりに豚肉と牛肉が入ったファルコルブ(ソーセージ)が使われることが特徴。ソースにはトマトペーストなどが入り、赤みがかかった見た目。米に添えて食べられる。
マッカラ・ストロガノフ(Makkarastroganoff)
牛肉の代わりにソーセージが使われること、角切りのキュウリのピクルスが入ることが特徴。ソースはトマトペースト入りで、マッシュポテトや茹でたじゃがいもと共に食べられる。
ビーフストロガノフの豆知識
オリジナルレシピを復元!?
実はビーフストロガノフのオリジナルレシピは失われており、最初はどのような形で出されていたのかはっきりとしたことは分かっていません。ただ、ロシア料理史研究家のウィリアム・ポクリョブキン氏が再現したオリジナルレシピによると、約0.5cmの厚さに薄くスライスした牛肉に小麦粉をまぶし、玉ねぎを敷いたフライパンで肉をほんのり色づくまで調理する、といった手法が当時は取られていたようです。さらに、揚げたジャガイモとトマトのスライスが添えられていたのだとか。薄切り牛肉を使うあたり、日本のビーフストロガノフに近いかも?
ビーフストロガノフを試すなら
ビーフストロガノフは楽天・Amazonでビーフストロガノフの素が売られているので、簡単に試すことができます。
また、日本にあるロシア料理屋さんでも魯肉飯を食べることが可能です!




