ジンバブエ料理とは、主食となる穀物を中心に、野菜や肉を組み合わせたシンプルで栄養価の高い食事が特徴です。
ジンバブエについて
ジンバブエ料理の概要

ジンバブエ料理は、この国の地理的特徴や歴史、文化の影響を受けて発展してきました。農業が盛んなため、国内で生産される穀物や野菜、肉類が食文化の中心となっています。主に主食となるものはトウモロコシ粉を使用したサザや米で、この二つは国民の食生活に欠かせない存在です。どちらも様々な料理と組み合わせて食べられています。
ジンバブエの食文化には、伝統的な食材と調理法が根付いており、家庭料理から特別な日の料理まで幅広いバリエーションが見られます。調理方法は比較的シンプルで、茹でたり、焼いたり、煮込んだりするスタイルが一般的です。スパイスがあまり用いられない代わりに、食材をじっくりと調理することで旨味を引き出し、素朴ながらも深い味わいのある料理が多いのが特徴です。
ジンバブエの食文化には、季節ごとに異なる食材を活用する習慣があります。乾季(4~10月)と雨季(11~3月)の違いによって手に入りやすい食材が変わるため、それに合わせた料理が作られます。例えば、乾季には保存が利く食材を活用し、雨季には新鮮な野菜や旬の果物が豊富に使われます。
また、ジンバブエでは肉料理も重要な位置を占めています。伝統的に野生動物の肉を食べる文化がありましたが、現在では飼育された家畜の肉が主流となっています。特に祝祭や家族の集まりでは、肉を使った豪勢な料理が振る舞われることが多く、バーベキューなどの特別な調理法が用いられることもあります。
食事の際には、家族や友人と一緒に食卓を囲むことが重視されており、特に農村部では今でも食べ物を分け合うことで人々の絆を深める文化が根付いています。伝統的な方法として手で食べることが一般的で、サザなど主食となる料理は手で取り、他のおかずと混ぜながら食べられます。
近年では、都市部を中心にイギリスなどの影響を受けた揚げ物などの料理も増えてきています。輸入食材や国際的な調味料を取り入れた現代的な料理が登場し、特に都市部の若い世代の間で人気を集めています。しかし、依然として伝統的な料理はジンバブエの食文化の中心にあり、家庭や地域社会で受け継がれています。
ジンバブエ料理の地域性
ジンバブエ料理の地域性はありません。
理由としては、国内の地理的な均一性があげられます。ジンバブエは比較的地理的な変化が少なく、山岳地帯の東部を除くと、温暖な熱帯性気候や高原地帯が広がっています。このため、特定の地域だけで特別な食材が育つというケースが少なく、全国的に似たような農作物や畜産物が利用されています。
また、ジンバブエはショナ人が人口の71%を占めており、広範囲に渡って文化や食習慣が共有されています。さらに、イギリスの植民地時代を通じてイギリス料理の影響も受け、地域ごとの差が生まれにくい環境が続きました。
ジンバブエ料理一覧(全23皿)
ガンゴ(Gango)
牛肉、豚肉、ヤギ肉などの赤身や内臓を野菜とともに炒め、軽く煮込んだ料理。大人数で集まるときなどの定番メニューで、ジンバブエ人に人気。
グル(Guru)
牛の胃袋(トリッパ)をスパイスや玉ねぎ、トマトとともに柔らかくなるまで煮込んだ料理。サザに添えて食べることが多い。
サザ(Sadza)
とうもろこし粉のひとつ、ミリミルを煮詰めたジンバブエの主食。肉料理や魚料理、野菜のソースなどと合わせて食べられる。ジンバブエ人は毎日最低1回食べると言われるほど定番の料理。
サザ・リマプフンデ(Sadza remapfunde)
サザの別バージョンで、ミリミルではなくタカキビ粉を使ったもの。食物繊維が豊富で鉄分とポリフェノールも十分に含まれているため、ヘルシー。
サザ・レズヴィヨ(Sadza rezviyo)
サザの別バージョンで、ミリミルではなくキビ粉を使ったもの。血中コレステロール値の低下など通常のサザよりも健康に良いとされている。
チキンシチュー(Traditional chicken stew)
濃厚なトマトソースとスパイスなどで鶏肉を煮た煮込み料理。サザやライスと一緒に食べられる。ジンバブエで人気の料理のひとつ。
チケンドゥーザ(Chikenduza)
小麦粉、砂糖、イーストを使ったケーキ。ピンク色や緑色などの着色料を混ぜたアイシングでコーティングされていることが多い。バターやジャムを添えて温かいまま食べることもある。
チモド(Chimodho)
80年代から90 年代には特に人気があったコーンミールブレッドの一種。伝統的にはストーブの上で作られる。ムポトハイとも呼ばれる。
ドヴィ(Dovi)
鶏肉をピーナッツバターで作った濃厚でクリーミーなソースで煮込んだ料理。ニンジン、トマト、オクラなどの野菜が加えられることもある。ドヴィは「ピーナッツバター」という意味。
ニャマ・チョマ(Nyama choma)
ヤギ肉や牛肉、鶏肉などをバーベキューする肉料理。肉は焼く前ににんにくや生姜、パプリカなどのハーブでマリネされることが多い。結婚式や卒業式などイベントごとで食べられる。
ビーフ・ヒフィリジ(Beef Hifiridzi)
ビーフショートリブと葉野菜をトマトやスパイスと共に煮込んだ料理。ハラレにある地区にちなんで名づけられた。主にサザやパンと一緒に食べられる。
ノピ(Nhopi)
ほんのり甘いカボチャをよく茹でて潰し、ピーナッツバターや砂糖と混ぜた料理。ニャンガと呼ばれる種類の南瓜が使われる。
ボタ・ウネ・ドヴィ(Bota une dovi)
トウモロコシの粉とピーナッツバターを使ったお粥のような料理。牛乳やヨーグルトを加えるなど様々なバリエーションがある。通常は朝食に食べられる。
マゾンド(Mazondo)
牛肉または豚肉の足をトマトやスパイスを使って煮込んだ料理。サザや葉野菜を添えて食べることが多い。特にジンバブエ男性に人気の料理。
マヌチュ(Manhuchu)
サンプと呼ばれるひき割りトウモロコシを水と塩で煮た料理。ピーナッツバターを入れたバージョンが人気で、主に煮込みなどに添えて食べられる。
ムタクラ(Mutakura)
バンバラマメとピーナッツなどの豆類を塩で煮て作られるシンプルな料理。付け合わせやおやつとして食べられるほか、朝食や昼食、夜ご飯としても食べる万能食。
ムリウォ・ウネドヴィ(Muriwo Unedovi)
コラードグリーンやケール、ほうれん草などをピーナッツバター、玉ねぎ、トマトと一緒に調理した煮込み料理。サザと合わせて食べられ、栄養価も高い。
ムリウォ・ナ・ニャマ(Muriwo na nyama)
ムリウォ・ウネドヴィに肉(ニャマ)を加えたバージョン。ジンバブエの高地地区の 1 つで生まれたため、「ハイランドシチュー」とも呼ばれる。
ムボーラ(Mubora)
茹でたカボチャの若葉を使った煮込み料理。茹でた葉をトマトと玉ねぎのソースで煮込み、ピーナッツバターなどが加えられることもある。サザやご飯と一緒に食べられる。
マボンゾ・エモンべ(Mabhonzo emombe)
牛の骨とトマトや玉ねぎなどの野菜を、スパイスやビーフストックで煮た煮込み料理。付け合わせとしてサザが添えられ、一緒に食べられる。
焼きとうもろこし(Chibage chakagochwa)
塩をかけて食べる、シンプルにグリルしたとうもろこし。ストリートスナックとして定番の食べ物。「チバゲ」とはショナ語でとうもろこしを意味する。
ライス・リネ・ドヴィ(Rice rine dovi)
「ピーナッツバターライス」として知られている、味付けをして炊いた米にピーナッツバターを混ぜたご飯。マボンゾ・エモンべなどの肉料理の付け合わせになることが多い。
レフプフ粥(Porridge ehupfu)
サザより液状に近い、ミリミル(フプフ)を塩と煮たお粥。栄養価が高く、ピーナッツバターや砕いたパンなどと一緒に食べられる。
ジンバブエの飲料一覧(全2杯)
マゾエ(Mazoe)
ジンバブエの代名詞ともいえる、オレンジから作られた人気の濃縮ジュース飲料。スーパーなどで購入可能でジンバブエ人に人気。
マヘウ(Mahewu)
トウモロコシで作った少し酸味のある味の、ジンバブエの伝統的な飲み物。濁った見た目をしており、トウモロコシの食感がいくらか残っているため、舌触りはややざらざら。
ジンバブエ食材一覧(10個)
ジンバブエ料理によく用いられる食材の一覧です。
オクラ
アフリカ原産の野菜で、細長い緑色の果実が特徴。食感が粘り気を持っており、煮込み料理やスープ、炒め物などに使われる。栄養豊富で健康にも良いとされている。
カペンタ
ジンバブエではカリバ湖で採れる、タンガニーカ湖原産のイワシに似た小さな魚。天日干しをして干し魚にすることが多く、カリカリになるまで揚げて食べられることが多い。
ササゲ
アフリカ中部原産の、細長いさやと小さな豆を持つマメ科の植物。栄養価が高く健康にも良いとされる。ショナ語では「ニェンバ」と呼ばれる。
チョモリア
ジンバブエとザンビアで広く栽培されている野菜でアフリカンケールの1種。ジンバブエでは軽く煮込んでサザの付け合わせとして調理されることが多い。
ツノニガウリ
ショナ語では「ガカ・レムンズワ」と呼ばれる、アフリカ原産のウリ科キュウリ属のつる植物。そのまま中のゼリー状の果肉を食べたり、塩漬けにして使われる。
ビルトン
日陰に吊るして乾燥させ作られる厚みのあるジャーキー。酢、塩、スパイスなどが使われる。ジンバブエではアフリカーナーが食べることで広まった。
ブーレヴォルス
南アフリカ発祥のソーセージの一種。粗く挽いた牛肉、豚肉、羊肉、山羊肉などから作られる。シンプルなグリルで楽しまれることが多い。
ミリミル
コーンフラワーよりもはるかに粗い、トウモロコシから作られた粗い粉。黄色いトウモロコシではなく白いトウモロコシが使われることが多い。ジンバブエではフプフと呼ばれる。
モパネワーム(Mopane Worms)
主にモパネの木から採取されるヤママユガ科のガの幼虫。洗浄して乾燥させると長期間保存可能なスナックになる。マチンビやマドラとも呼ばれる重要なタンパク源。
ラクト
発酵させて作られるサワーミルクの一種で「ムカカワカコラ」とも呼ばれる。クリームも加えられるため濃厚でクリーミーな味わい。サザの付け合わせとしても食べられる。
日本国内のジンバブエ料理レストラン
日本にジンバブエ料理レストランはありません。



